松下功(5)2008/08/21 08:00

やっと5日目。今日は、私が努めている東京藝大のお話を少し書きましょう。

東京藝大は、昨年創立120周年の記念行事を行いました。東京音楽学校、東京美術学校となってから120年経ちました。音楽学部、美術学部、映像学科(大学院のみ)があり、それぞれの部署で教育活動を行っています。実は、私はこのいずれにも属していません。私の所属しているところは、演奏藝術センター(Performing Arts Center)といい、独立した一つの部署であり、藝大の内外で演奏会やイベントの企画・運営を行ったり、両学部の学生たちに新しい活動を啓蒙する授業をしています。私たちの演奏藝術センターには、学生は所属していませんが、多くの学生と共同作業を行っています。現在、私の他に指揮者の湯浅卓雄さん、元テレビ朝日のプロデューサーの大石泰さんが常勤で、他に演出家や照明家が所属しています。数人の小さな部署ですが、機動力のある面々ばかりで、これまでにいろいろな経験をしてきた人たちの集合体です。藝大にある奏楽堂での演奏会企画がメインですが、私たちは毎年3つの柱を立てて企画しています。その一つは『藝大の響き』といい、多くの音楽学部の科が係われる企画を行っています。ドヴォルザーク、ラヴェル、シューマン、メシアンなどの作曲家に焦点を当てて、レクチャー&コンサートを行っています。もう一つは、『奏楽堂シリーズ』と題し、「うたシリーズ」、「ハイドン・シリーズ」、「弦楽シリーズ」、「オルガン・シリーズ」、「管楽器シリーズ」など、各科のシリーズ企画のバックアップを行っています。

最後の3つ目の柱は、『藝大21』と題し、演奏藝術センターが外部との連携を取りながら独自な企画を行っています。「ジャズin藝大」、「藝大とあそぼう」、「創造の杜」、「和楽の美」など、人気のある演奏会もあります。取分け、「ジャズin藝大」、「藝大とあそぼう」は、藝大奏楽堂の目玉企画で、毎回多くの人が詰め掛けます。「ジャズin藝大」では、私は司会も指揮も担当します。まあ、何でもやる課です。

私は、兼担として作曲家の学生も教えていますが、机の上の勉強だけでなく、実践の場を多く体験させたいと思っています。実は、この週末は学生たちと長野で過ごしています。毎年8月に私が音楽監督を務める長野のカメラータ・ナガノという演奏団体と共に、音楽会を行います。この音楽会で学生たちの作曲コンクールを行い、毎年一人にカメラータ・ナガノの作品委嘱をしています。今年の9月には、学生たちと韓国の延世大学との交流演奏会でソウルに行きます。ソウルとの連絡や運営はすべて学生たちが行っています。


*写真は、少し古いのですが夏の山での音楽会の打ち上げの模様です。留学生も数人います。

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