仙台フィルハーモニー管弦楽団(1)2008/06/01 10:03

皆さん、こんにちは。
仙台フィルの松本といいます。仙台フィルの一員ですが、音は出しません。事務局で、黙々と演奏会を企画しております。
仙台フィルは、例年と同じように101回のコンサートのうち4回登場します。そのほか、仙台フィルのメンバーが、いろいろな音楽を奏でます。どうぞお楽しみに。

今年の「せんくら」聴覚だけでなく、味覚の方も刺激するというユニークな試みとなっております。
仙台フィルの最初の出番は、11日の午前11時、イズミティ21大ホールです。このときのプログラムは、すべてチャイコフスキーが作曲したものです。そこで、チャイコフスキーにちなんだ食べ物はなにかないかと、調べてみました。なんと、なんと、それがあるのですね。
神戸そごうの地下1階にある「ピロシキ屋」、そこのチャイコフスキーというピロシキは、発酵中にチャイコフスキーの“花のワルツ”を聴かされているのです。実にまろやかな味がすると、評判で店の前には行列ができるとか……。

ところで、どなたか仙台フィルの生演奏の“花のワルツ”を聴かせて、ピロシキを作ってみようという方はおられませんか?
ただし、発酵中の生地をホールに持ち込めるかどうかは、保証の限りではありません。

仙台フィルハーモニー管弦楽団 松本伸二

写真は“花のワルツ”を聴かせて発酵させ作ったピロシキ(1個150円・大阪屋のホームページより http://www.fs-osakaya.co.jp/piroshki/

原田哲男(1)2008/06/01 10:04

みなさんこんにちは チェロの原田哲男です。

今秋のせんくらでは2006年同様にオーケストラと四重奏、ソロ、四季といった多くの公演に出演させていただきます。2年間でどれだけ演奏が成長したか、せんくらのお客様に時間を置いて改めて聴いていただけることは嬉しくもあり、また身の引き締まる思いもします。
そしてこのブログ・・今年は早々と順番が廻ってきました。前回は7日中4回を人に頼み込んで書いてもらって何とか切り抜けましたが、二度同じ手とはさすがに・・・今年は7回分きっちり書かせていただきます。「あまり長くなく」というありがたい指示をせんくら事務局からいただいているので、今日はこの辺で。

仙台フィルハーモニー管弦楽団(2)2008/06/02 10:34

2日目の話題は、チャイコフスキーの魅力についてです。
チャイコフスキーの音楽の大きな特徴として、同じメロディを繰り返しながら感情を盛り上げ、大きな音のうねりをつくりだし、人々の心を感動の世界に引きずり込むことが挙げられます。この傾向は、交響曲をお聴きになるとよくわかるのですが、今回演奏します「ロミオとジュリエット」でもその片鱗がわかります。
ついでながら申し上げますと、このロミオとジュリエット、冒頭の不安なムード、劇的な戦いの場面、甘美で情熱的な甘い恋の場面、最後の劇的な場面と、あの悲劇を見事に音楽で表現しています。この恋の場面、何ともあやしげなメロディを私がかつて弾いていましたヴィオラとオーボエの仲間であるコールアングレ=写真(イングリッシュホルンともいいます)が奏でます。ご期待ください。

仙台フィルハーモニー管弦楽団 松本伸二

原田哲男(2)2008/06/02 10:41

今年のせんくら、オーケストラの公演で私個人が特に楽しみにしているのはチャイコフスキー作曲の序曲1812年(公演番号38)です。
曲の出だしは厳かなチェロのアンサンブル、ドラマティックに曲が盛り上がって、凱旋の喜びを思わせるクライマックスではオーケストラの強奏とともに大砲が鳴り響く。子供の頃からの憧れの曲でもありました。 
ただこの曲、祝祭的な雰囲気の曲なので他の曲とのバランスが難しいのでしょう。定期公演などで取り上げられることはあまりありません。せんくらだからこそ聴ける(弾ける)曲としてお客様、演奏者がお互いに楽しめると思います。

仙台フィルハーモニー管弦楽団(3)2008/06/03 10:42

昨日、忘れましたが、チャイコフスキーの魅力、それは何と言っても一度聴いたら忘れることのできないメロディの美しさにあります。ただ単に美しいだけでなく、どこか悲しげな色合いを含んでいるメロディ。私たち日本人はチャイコフスキーを非常に好きですが、彼のメロディに演歌と相通ずるところがあるからかもしれません。
さて、今日は祝典序曲「1812年」のお話です。この曲は、実際にあった出来事を音楽で表したものです。ナポレオンは1812年に60万の大軍を率いてモスクワを攻めますが、ロシア軍の奮闘に加え寒さと飢えのために敗れます。この戦いが音楽で描かれているのです。
ロシアとフランス、どちらが優勢かは、ロシア民謡とのちにフランス国歌となったマルセイエーズそのいずれかが大きいかを聴けばわかります。また、戦いの場面では大砲が鳴り響きます。この曲の初演はモスクワの教会の前の広場で行われ、実際に大砲を撃ったそうです。仙台でも2年前に霞目駐屯地での陸上自衛隊東北方面音楽隊の演奏の時に105ミリ榴弾砲を使ったということです。それならばと10月11日の演奏でも、是非大砲を使いたいとはりきっていますが、この楽器いや大砲をどこに置くか、当日までに解決しなければならない大きな問題です。
この曲ではもうひとつしかけがありますが、そのお話は明日にしましょう。
(写真提供=陸上自衛隊東北方面音楽隊)