楽都への確かなあゆみ2008/10/22 11:28

今回も全国から多くのメディアの方が来場されました。皆さんが出演者のがんばり、ボランティアの温かさ、聴衆の雰囲気の良さなどを挙げ、他に例を見ない独自のフェスティバルに成長してきているとの高い評価をいただきました。なかでも印象深かったのは、コンクール、仙台フィル、「せんくら」との間に有機的な連携が生まれ、音楽都市を創り上げる運動体が成立しているのではないか、というご指摘です。確かに、コンクール入賞者や仙台フィルをはじめとする地元ゆかりの演奏家が、せんくらの大きな柱となっていることは注目すべき事実です。コンクール入賞者3人合わせて7つのコンサート、仙台フィルはソロや室内楽も含めて12のコンサート、いずれのチケットも売り出し早々完売するというたいへんな人気です。そして津田さんはハードスケジュールにもかかわらず、体調を崩した及川さんに代わって、仙台フィルとの演奏を成功させ、せんくらのピンチを救ってくださいました。一方市民は、せんくらの度にコンクール入賞者の成長に驚き、喜び、そしてさらに入賞者が出演する仙台フィルの演奏会に駆けつけます。入賞者にとって仙台はまさに“ふるさと”なのです。

入場料から演奏時間まで、あらゆる形でバリアーを低くするせんくらのシステムは、市民と音楽との出会いにとどまらず、演奏家と市民の出会い、演奏家とまちとの出会いをも生み出しているのです。つまりコンクール、仙台フィル、せんくらがひとつの大きな流れとなって、楽都への歩みを進めているというわけです。

さらには地下鉄をはじめさまざまな街角が音楽の場となり、初の試みであった食のコラボレーションも好評でした。音楽と都市と市民との関係の一段の深まりを改めて実感した次第です。

大澤隆夫(運営委員長・仙台市市民文化事業団副理事長)

コメント

_ カナカナ♪ ― 2008/10/22 22:11

昨年に引き続き今年もせんくらを観に、横浜より駆けつけさせていただきました。
私は特に音楽とは深い関わりのない生活を送り、正直に申しますと別段クラシックファンというわけではありません。
しかし、昨年たまたま知人に誘われせんくらに出向いたところ、せんくらのクオリティの高さ、演奏家との距離感、金額、時間配分、また仙台の街の雰囲気にすっかり「せんくらファン」になりました。

大澤様のブログを拝見したところ、せんくらの成功の陰には仙台フィルや地元に根ざした演奏家の方々のお力添えがあってのものだというご意見は大変興味深いものでした。
ひとつのイベントを行う際、多くの人々の支えが必要であり、特にせんくらのような地域に密着しているイベントには地元の協力が不可欠だと思います。

ただ、私のような音楽初心者には「今のせんくら」のスタイルを変えてほしくはありません。
せんくらの魅力はなんといっても、出演者たちの豪華さと、その本物の音に気軽に触れられることだと思います。横浜から「せんくら行こう!」という気持ちになれるのは、今のせんくらだからこそです。

来年も地元の演奏家の方、仙台フィル、またボランティアの方、すべて力を合わせている「せんくら」を楽しみにしています!

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